お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_3月

2024.3.18

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

3月、もうお彼岸に入ったと言うのに、暴風警報が出るほどの強い風!そして雪が横に吹き付ける午後となりました。そんな天気にもめげずに、今日も30名近くがお集りです。住民のおひとりが「体操で一緒になった時にお誘いしたの」と、地域にお住まいの方の参加もありました。ようこそようこそ!コロナ禍が落ち着いてから、市営住宅以外の参加者を迎えるのは久しぶりです。そして、今日は東京からもこの活動を見せてください、という研究者の方と、中国からの留学生のお二人の参加がありました。どうぞ一緒に楽しんでいってくださいね。

まずは今日もストレッチから。頭の上に両手を伸ばして、そのまま前に倒れたり、横に倒れたり。普段意識して伸ばさない部分が、ぐーんと気持ちよく伸びていくのが分かります。顔の体操はぎゅーっと顔を真ん中に寄せてから、ぱっ!と顔全体を開きます。「みなさんまだまだ足りませんょ、もっと、ぎゅーぱっ!そうですそうです!」大分口の周りの筋肉を使ったような…続く発声練習、「なんだか今日は、声が出ますね~!」瑛利子さんから、そんな声が出るほど、今日はみなさん調子がよい(?!)ようです。「今度はもっと遠くに声を飛ばしてみましょうか!そうそう!そんな感じです!」こちらの会場は元々よく声が響くのですが、今日は外の吹雪に負けないような、大きな声が広がっていました。

今日の歌は滝廉太郎の「花」から。瑛利子さんが1番をお手本に歌った後は、みんなで歌詞を読んでみました。本当にもうあと数週間で、桜が咲くのでしょうか…春のうららの~とはとても信じられないような、今日の天気でしたが、音楽でひと足早くお花見気分を味わえたようにも思います。「歌詞カードから少し身体を離して、遠くに歌いましょう!」そう言われて、すっと姿勢が伸びました。「この3番の、最後の長く伸ばすところ、ここが一番の見せ場ですよ~!」改めて練習してみると、みなさん気持ちよさそうに音をたっぷり伸ばせていました。

2曲目は「高校三年生」。瑛利子さんから「みなさん、卒業式にはどんな歌を歌われましたか?」「仰げば尊し、かな?」「あ!私もそうでした!でも私の頃まで、だったみたいですね。今は〇〇〇とか◎◎◎とか…、いまどきの子どもたちに人気のある曲が、歌われているみたいですね」「へ~!」そんな会話もありました。昭和の懐メロ、みなさん子供の頃から耳馴染むにある曲。最初からとてもいきいきと歌われていました。「あ~あ~、あ~あ~あ~、のところは、気持ちよく!歌いましょう!」そんな瑛利子さんのアドバイスに、一段とボリュームが上がります。

最後は「丘を越えて」。「3月なので、春らしい明るい曲を!」と瑛利子さんが選んでくれた1曲は、歌自体に気持ちを明るくさせる要素がありそうですね。「言葉が多いので、口をよく動かして歌うために、ベロで、口の内側を一周してみましょう。ぐーっと外に押し出してやるような感じです!」ベロの運動が、歌う時にも関係してくるんですね!「滑舌が良くなったはずです!」リズムに乗って歌うのはなかなか難しいものでしたが、歌っているうちに次第にワクワクとしてくる歌ですね!

休憩をはさんで、ミニコンサート1曲目は、リクエストいただいた松田聖子さんの「瑠璃色の地球」。この曲、瑛利子さんは学生時代にも、高齢者施設などでリクエストされることが度々あったとか。満梨奈さんは、合唱祭などで最後の全体合唱で歌われるイメージがあるそうで、幅広い世代に知られた曲なのですね。“宇宙船地球号”のテーマソング、とでもいった雰囲気の親しみやすいメロディに、みなさんもゆったりと耳を傾けていらっしゃいました。

つづいては、満梨奈さんのピアノ独奏による平井康三郎「さくらさくら幻想曲」。「ちょっと季節を先取りしてしまいましたが…さくらさくらの旋律が、どんな風に出てくるか、探しながら聞いてみてくださいね」。窓の外は強い風に煽られて、西から東へと真横に粉雪が飛んでいくお天気。桜の花びらも、こんな風ではひらひらと優雅に舞う訳にはいきませんね…。お琴の曲として知られる古謡「さくらさくら」を基に、ピアノらしく、ドラマチックに展開されていく1曲に「(電子ピアノで弾いているけれど、)今、グランドピアノが見えた!」とお客さんからも声が飛びました!3曲目は、再び瑛利子さんの歌で、春を招くような華やかなワルツ「ウィーンわが夢の街」を日本語詞で。心華やぐような音楽に、拍手喝采。終わるや否や「アンコール!」の声がかかりました。

そのアンコールには放送中の朝ドラ「ブギウギ」のモデル、笠置シヅ子の歌から「ホームランブギ」。「3月といえば、野球好きな私にとっては…」「甲子園!」「高校野球!」「あ、それもありましたね、でも私はプロ野球が好きなので…(苦笑、)もうすぐ開幕戦なんです!そこで、最後はまたみなさんに参加していただこうかと…私がは・く・しゅ!と言いましたら、こんな風に叩いてみてくださいね。そうですそうです!それから…」ホワイトボードに書かれた『かっとばせ!かっとばせ!フレーフレーフレー!』は掛け声で参加するためのものでした!今日、北海道から着いたばかり、という6才のKちゃんも、おばあちゃんと一緒に「フレ!フレ!フレー!」かわいい声で元気いっぱい、参加してくれました。

あんなに吹き荒れていた風と雪も、サロンが終わる頃には、少し穏やかになり、陽が差していました。「今年度一年間、お世話になりました。また来年も、みんな楽しみにしているので、よろしくお願いします」と、会長さんと先ほど元気な声で参加してくれた女の子とが、かわいいピンクの花束を、瑛利子さんと満梨奈さんにプレゼントしてくださいました。みなさん、こちらこそ大変お世話になりました!引き続き、新年度も楽しく歌ってまいりましょう。まだいらしたことのない方も、いつでも覗きに来て下さいね!