お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_3月

2024.3.16

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

暖かな日差しがありながら、暴風警報発令中の本日です。はるかに見える泉ヶ岳から吹き下ろす風なのでしょうか、空のペットボトルが派手な音を立てて転がっていきました。「飛ばされちゃうかと思った~」と、強風の中を突いてやって来た参加者を音楽リーダーのソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんが笑顔でお迎えしました。

ウォーミングアップとして、ストレッチをしたあとにパートナーソング3種を歌いました。童謡の『浦島太郎』『花咲じじい』『うさぎとかめ』は拍子と小節数が一緒なので、同時に歌い出すと最後はぴったり同じタイミングで終わります。3チームに分けて同時に歌います。輪唱とはまた違う不思議なうねりと言うかハーモニーを生んでいました。隣のチームに釣られないよう自然と声を張るので、いつの間にか発声練習になっていたようです。
さて、一緒に歌うコーナーの最初の曲は淡谷のり子『別れのブルース』です。
松本さんは「淡谷さんの真似をして、ちょっと斜に構えて歌ってみましょう」とモナリザのようなポーズで情感たっぷりに歌いました。自分ではない誰かになりきって歌うって、ちょっと非日常感もあり楽しいものですね。
続く吉幾三『雪國』の歌詞に「バカね、バカな女ね」とあるのを見て、松本さんは「オペラの『椿姫』にも同じような歌詞があります。オペラと演歌は世界観が似てるので、敷居が高いと思わずに観に来てください!」とオペラを推していました。
「話を~きいて~」のところは、「聞いてー」とまっすぐ伸ばすよりは「聞いてぇえぇ~」と揺らすようにとアドバイスがありました。「追いかけて、追いかけて、追いかけて雪國」のところは「迫りくる感じを変化をつけて歌ってみましょう」と身振り手ぶりで解説がありました。

ハワイ出身のフォークデュオ、ベッツィ&クリスの大ヒット曲『白い色は恋人の色』は「なつかしいねえ」と声が上がりました。「初恋の色は何色ですか?」と松本さんが質問すると、どなたかが「レモン色!」と即答し、会場は笑いに包まれました。

喫茶ひこのマスター西垣さんが淹れたコーヒーでひと休みした後は、ミニコンサートとして松本さんがスコットランド民謡『広い河の岸辺』を、岩瀬さんは千昌夫『北国の春』を歌い、大きな拍手を浴びていました。
どちらの歌も、なにかしら広々とした風景が目に浮かび、気持ちがすっとするような感じがありました。
新年度もまたたのしく歌っていきましょう。どうぞよろしくお願いします。